2024年7月の記録的高温に地球温暖化が寄与
1. 概要
7月は全国的に記録的な高温となり、日本上空(東経130-146度, 北緯31-45度:図1黄色枠内)約1500mの平均気温は1950年以降で第1位となりました。この要因として、日本の南から西日本を中心に太平洋高気圧が持続的に強まった事、ヨーロッパから日本付近へかけて亜熱帯ジェット気流に沿った波の伝播の影響(図1)、日本近海の海面水温が顕著に高かった事が考えられます(*1)。

図1 イベント期間中の大気の状況
2024年7月の850hPa(上空約1500m。対流圏下層に相当)の気温(陰影)と500hPa(対流圏中層に相当)の高度(実線:高気圧, 波線:低気圧)の平年値からの偏差を示す。
2. 研究結果
WAC手法を、2024年7月の記録的高温事例(高温イベント)に適用した結果、この時期の日本上空約1500m気温が実況の気温を上回る確率は、現実的な気候条件下では21.3%であり、人為起源の地球温暖化が無かったと仮定した気候条件下では、ほぼ0%(0.0064%)であったと推定されました(図2の赤実線および青実線)。この結果から、本高温イベントは地球温暖化がなければ起こり得なかったことが分かりました。
また、図2の青実線が薄い青色の山型に比べて右にずれていることから、この時期の自然の内部変動が日本の気温を底上げする働きをしていたことが分かります。ここで言う自然の内部変動の中には、日本近海の海面水温が高かったことによる影響も含まれている可能性があります。

図2 WAC手法によるEAの結果
2024年7月の記録的高温イベントに対して、WAC手法を適用した結果を示す。横軸は日本上空(図1の黄色枠内)約1500メートル(850hPa)の平均気温、縦軸は頻度を示す。赤実線は現実的な(地球温暖化がある)2024年7月の気候条件下、青実線は、地球温暖化が無かったと仮定した場合(非温暖化)の2024年7月の気候条件下の頻度。薄い赤色と青色の山型は、平年30年間(1991年-2020)の7月の現実的な気候条件および非温暖化条件下における出現頻度をそれぞれ示す。実測値を示す黒波線の値を超えた面積が、今回の高温イベントの発生確率を表す。